TOYP大賞最高賞に 国際的な医療活動が評価
「TILL」設立の国井医師
TOYP大賞最高賞に
国際的な医療活動が評価
【宇都宮】アジアや在日外国人の医療問題に携わってきた大田原市出身の医師国井修さん(33)が、日本青年会議所(山本潤会頭)主催の95年TOYP大賞の最高賞に選ばれた。国井さんは「受賞は活動してきた団体が認められた結果。国際医療協力はまだまだ理解されていないので、これをきっかけにこの分野への理解が進めば」と話している。
同賞はザ・アウトスタンディング・ヤング・パースンズの略称で、行政や文芸、福祉、環境の分野で将来性のある若者を顕彰し支援する制度。昭和六十二年から始められ、これまでに参院議員の橋本聖子さんも受賞している。
国井さんは自治医科大学在学中からデジア保健医療の向上に寄献しようと活動。卒業後、医師となりアジア医師連絡協議会(AMDA)の副代表などを務め、アジアや中南米三十カ国で医療活動、現地調査に当たった。
外国人労働者が増加する中、平成三年にボランティアのネットワーク「栃木インターナショナル・ライフ・ライン(TILL)」を設立。不法滞在労働者や在日外国人の医療問題に取り組み、外国人医療十一カ国語対訳表を作成した。
当時は真岡市や宇都宮市安どに外国人が集中。宇都宮市のYMCA教育センターなどに相談窓口を設け、言葉の違いや診療費の問題から医療機関を敬遠しがちな人たちのために募金活動なども行った。
こうした活動を知った宇都宮青年会議所(坂客修一理事長)が国井さんを同賞に推薦。全国の応募者百二人の中から女性宇宙飛行士の向井千秋さんらとともに大賞の十人に選ばれた。さらに、一人だけに与えられるグランプリも受賞した。
国井さんは現在、東京都新宿区にある国立医療センター国際医療協力局に勤務。大阪で開かれた十月五日の授賞式当日もブラジルで医療活動に当たるなど、国際的な視野で医療活動を続けている。
※本記事の出典や掲載日時は不明です。